平成3年度に浅刺・呼気時・坐位の刺鍼法の解明により、鍼灸臨床における補術への見通しがつき、鍼灸治療の基本的枠組みができたところで、 筑波技術短期大学附属診療所の開設を迎える。そして診療所における臨床経験がそれまでの自律神経研究の実践研究の場となり、次の「臨床における鍼の治効、六つのメカニズム」に発展し、気管支喘息治療が登場し、「基本的治療の体系化」ができた。その臨床研究の実践例として「いわゆる腰痛症」に対する鍼灸治療研究と内科系疾患として「気管支喘息に対する臨床研究」が行われている。この二つは、本研究の成果を臨床に実践している。従来の鍼灸治療とは異なるものである。三つ目の「習慣性扁桃炎に対するはりによる予防」研究は、昭和50年代の初めから針麻酔研究の過程の中で偶然遭遇し、できたものである。しかし、鍼治療がfirstchoiceされる可能性の高い疾患例として、治療法も明確である点で臨床価値の高いものであると評価している。

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