私は、前から押手は軽い方でした。
押手といっても時とところによって様々なのですが、背中や腰などに行うときの話です。押手は、軽いほど良いということを最近悟りました。
背中や腰などは、筋の緊張所見をとらえるために深いところまで押し込んで診ます。
そして緊張所見を見つけそれを放さないようにしてその所見に直接刺鍼します。
そうすると強く押さえ込むような押手になりがちなのです。
しかし、押さえ込んでいる力が、刺鍼される人の身体の押さえられている筋に反発の緊張を作ります。
この筋の反発の緊張が問題なのです。
筋に鍼先が触れて、筋が不随意に収縮することがあります。
この時に筋に反発の緊張があると、不随意な筋収縮が大きな筋収縮になります。
反発の緊張がなければ小さな収縮で終わります。
腰で起きがちです。
所見をつかんだら、切皮をする前に、押手の力をすっと抜き、皮膚に触れる程度にします。
筋に反発の緊張がないと、楽に刺鍼が進みます。
不随意な筋収縮が起きてもピクリですみます。ここのところ施術所で意識してこのことの確かめをしました。
納得しました。
刺鍼の技術が一段と上達した思いです。
何十年やっていても教えてもらえるものです。
教えてもらえるチャンスを自ら作り出すことが大切かと思います。顔の刺鍼は如何に押手の接触面を小さくし、軽くし、安定性を保つかです。 柔らかい腹部は、押手を深くするのではなく、切皮の刺手のはじきを確実にして皮膚を切ることを確実にすることです。湧泉など強い切皮をしなければならないときは押手も強くなります。