2008年、最後の土曜の一言です。
我が国で鍼灸の業が発展するための大きな課題について述べます。
今日、鍼灸学校が急増しました。
多くの鍼灸師の免許を持った人達が社会に門出します。
しかし、鍼灸師として研修しながら勤務できる職場は極めて少なく研修できない状況にあります。
これでは新人を育てられません。
新人を育てる仕組みをもたずに業を盛んにはできません。
鮨職人を1人育てるに10人のお得意さんをなくするそうです。
研修中の人が握った鮨は食べたくないということです。
鍼灸業もとても似ています。
患者は先生に治療してもらいたいのですといわれます。
気持ちはよく解ります。
しかし、研修中の人が治療させてもらえなければ一人前になれません。
治療効果を責任者が保証し、患者にも協力していただく仕組みが必要です。
新人と中堅と経験豊かな人がチームとして1人の患者の治療に当たる仕組みが必要です。
そんな仕組みが我が国における鍼灸業の発展を可能にします。
鍼灸業に従事しておられる人達の奮起を期待したいものです。
企業ではなく、鍼灸業ではなく、人をこそ第1に大事にしなければならないことです。
患者もその中の1人であり、立派な鍼灸師になろうとする人達もその中の1人です。