自然鍼灸学・自律神経臨床研究所は、自然鍼灸学・自律神経機能につ
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動しております。
自然鍼灸学・自律神経臨床研究所
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1 身体の血液循環と環境条件
1-1 身体の血液循環について
私たちの身体は、60%が水です。身体をつくっている一番大きな構成要素です。身体は細胞でできていますが、細胞は水に浮いているようなものです。身体の細胞は水を介して活動に必要な栄養を補給され、活動によって生じた代謝産物を排出しています。生命維持に必要な体内の環境条件を整えるのは水です。
身体の水を体液といいます。体液は細胞の中にある水、細胞の周囲にある水(組織液)とに分かれ、身体の脂肪は組織液に取り囲まれ組織液との間で栄養や代謝産物の受け渡しをしています。この組織液を良い状態に維持するために心臓を中心とした血管系、リンパ管系により血液、リンパの循環が行われています。
心臓、血管の中を循環している体液を血液といいます。血液は体重のおよそ1/13です。
体重65kgの人では、その60%の39kgが体液で、およそ40㍑です。そのうち血液は、体重の1/13で、5㍑です。体液の1/8程が、血液として体中を巡っています。血液は身体の中を1分間で1巡します。身体の中を血液が1巡する時間を循環時といいます。
5㍑の血液が1時間に60回も身体を循環しますから1時間に300㍑もの血液が流れることになります。
血液は、消化器で栄養を吸収し、呼吸器で酸素、炭酸ガスの交換をし、腎臓でガス以外の代謝産物を排出し、良い環境条件を組織液に提供しています。
1-1-1 血圧
血圧は、血液を体中に循環させるための圧力です。血圧は、心臓の収縮力、末梢血管の抵抗(血管の収縮力)、血液の量によって決まります。
心臓が1分間に1回前後で収縮しています。心臓が収縮していると時を収縮期といいます。心臓の収縮の力で血圧が高くなります。この時の血圧を最高血圧といいます。心臓が拡張している時を拡張期といいます。この時の血圧を最低血圧といいます。
血圧は常に心臓の周期により最高血圧と最低血圧の間を変化しています。
私たちの正常な血圧は、最高血圧が120mmHg、最低血圧が70mmHg程です。毛細血管の部分で血液は組織液と交流し物質の交換をします。毛細血管では血圧はほとんど0になります。心臓で高められた血圧は、毛細血管までの間に0まで低下するのです。上記の正常な血圧というのは、上腕部で心臓の高さの時の血圧のことを指しています。血圧は、身体の部位や状況によって変わります。最近、指先で測れる血圧計がありますが、上腕部の値に補正しているのです。
1-1-2 血圧と重力
人類は600万年前に直立二足歩行を開始しました。地球の重力と血液循環との抗争が始まりました。重力により地球上に重さが生まれました。地球を取り巻く空気にも重さがあります。地球上の通常の空気の重さを1気圧としています。
地球上の1気圧は、水銀柱では、760mmHgです。水の柱では、10m13cmです。 最高血圧の120mmHgは、1気圧のおよそ1/6の強さです。水柱では1m69cm程に相当します。直立の姿勢でも頭まで血液を送ることができる強さです。
私たちの脳は、特に多くの血液を必要とします。循環する血液の15%が脳に巡っています。脳の血液循環が数分間停止すると死につながります。脳の血液循環がちょっと不足すると脳貧血という状態になり危険を訴えます。
背の高いキリンは、頭まで血液を循環させるために300mmHgもの血圧が必要です。
重力に逆らって血液循環を行うわけですが、血圧の力により身体の隅々まで血液を送り届けます。しかし、毛細血管で血圧が0になってから心臓に血液が帰るまでは、血圧の力はありません。横に寝ている時には、重力がほとんど働きませんから、血液をわずかな力で心臓に戻すことができます。しかし、坐位や立位になっているときには心臓に血液を戻すに力が必要です。筋肉のリズミカルな収縮、弛緩がその力になっているのです。
血液循環の原理としては、筋肉を働かせないときには横になっている。座り、立っているときには身体を動かして骨格筋を活動させ血液循環を良くする必要があるのです。
人類が発達、発展させた文明、文化が血液循環の不良を招く要因を多くつくっています。
運動不足に対する対策が求められます。後述します。
1-2 血管と重力
人類の直立二足歩行は、下半身の血管に大きな負担を与えることになりました。
下半身の血管は、重力に逆らって血液が脚に溜まらないようにするため抗重力血管抵抗を求められました。
下肢の血管は、横になっているときには緊張を緩め、拡張して多くの血液を流し、立位になったときには、血管を収縮させて血液が脚に溜まらないようにする体位血管反射ができました。(図1)
身体を縦にして座っている、立っている限りは下肢の血管は強く収縮していないと血液が下肢に溜まってしまいます。立っている限り、座っている限り下肢の血管は強く収縮し続けなければならないのです。
血管が収縮した状態を持続していると下肢の血管の緊張が解けない状態が起こります。 立位では血管が収縮し臥位になると拡張するという、体位血管反射の減弱が起こり、寝ても脚が冷たくて寝付けないという訴えになります。冷え性はこのようにして起こります(図2)。冷え性には体位血管反射を回復してやればよいわけです。後述します。
1-3 血管と季節(暑さ寒さの影響)
私たちの皮膚血管は、恒温動物としての体温の調節をしています。体温調節において体温の放散を行っています。体温を発生しているのは90%が骨格筋の活動です。
快適な温度環境では、(裸体で29℃、衣服環境では20℃前後)皮膚血管の収縮、拡張で体温を調節をしています。
春から夏に向かっては、暑さへの適応現象として皮膚血管は、開こうとする傾向が強くなります。このため脳貧血が起きやすくなります。
秋から冬に向かっては、寒さへの適応現象として皮膚血管は、収縮しようとする傾向が強くなります。このことが冷えを起こりやすくします。
急激な暑さの変化は、春から夏の変化を、寒さの変化は、秋から冬の変化を起こします。
1-4 血管と月の引力
太陽と地球と月の間には引力働いています。月は、地球に近いために太陽の2倍も強く地球に作用しています。月の引力による現象の代表的な力が海水の潮の満ち干です。
満潮時、干潮時の海面差が1mあるとすると、1気圧の強さが10mですから、1気圧の10%にもなる強さが働くことになります。
満潮の時には、上に引き上げられる力が働きます。のぼせ感が起きやすくなります。
干潮の時には、下に引き下げられる力が働きます。めまい感が起きやすくなります。
図3は、本年の10月5日〜12日の1週間の東京地方の潮の満ち干時刻を見たものです。
のぼせやすい人、脳貧血を起こしやすい人は、満ち潮、引き潮の要注意時間を避けるよう生活時間を工夫できます。
1-5 血管と気圧
低気圧、高気圧が身体の調子に関わります。慢性関節リウマチ患者は昔から天気予報やさんといわれました。
低気圧は、体表を圧迫する力が弱くなるので、体表の血管は開きやすくなります。血管が開きむくみが起こりやすくなります。むくみなどでの痛みが強くなりやすいのです。脳血流は少なくなりがちで鬱傾向が強くなりがちです。
高気圧は、体表血管への圧を強め収縮させます。身体は軽くなり脳の血液循環が良くなってさわやかな気分になれます。
1-6 血管の緊張と体調
① 疲れは、血管の緊張が緩みます。低血圧者の夕方の下肢のむくみ。血管の疲れたところにむくみが現れます。
② 風邪などの体調不良は、浮腫が起きやすくなります。顔、まぶたが一重の人が二重になる、二重の人が一重になるなどで観察し易いところです。
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