経穴への物理的刺激は、皮膚・皮下組織への刺激と筋への刺激で 全く別の反応を生起します。
1 皮膚・皮下組織への刺激による反応
不快でない刺激により、副交感神経機能を高める反応。
交感神経α受容体系機能をわずかに高める反応。
をつくります。
痛み刺激では、副交感神経機能を抑制する反応。
交感神経α受容体系機能を高める反応。
をつくります。
2 筋への刺激による反応
不快でない刺鍼刺激(雀啄刺激)等による刺激では、
皮膚・皮下組織への刺激による反応に加え
交感神経β受容体系機能を抑制する反応が加わります。
痛み刺激では、皮膚・皮下組織への刺激による反応に加え
交感神経β受容体系機能を亢進する反応が加わります。
筋への刺激による反応は、交感神経β受容体系機能反応が
優位な反応として起きます。
このように一つの経穴でも皮膚刺激と筋刺激では
反応は異なるのです。
したがって、鍼の刺鍼の深さは、筋に刺すのか刺さないのかが
反応を分けることになり、明確に区別しなければなりません。