4 背部深層筋の機能と刺鍼部位 鍼は、寸3、1番を標準とする。
4-1 背部深層筋の鍼施術の観点
① 鍼施術と気胸
最長筋を含めて棘突起との間を刺鍼対象にする。
4-2 ① 脊柱の姿勢バランス:腸肋筋、大きな力を出していない。刺鍼の対象にしない。
4-3 脊柱運動の主力筋:最長筋、棘筋、多裂筋
① 脊柱の伸展:最長筋、棘筋、多裂筋
② 脊柱の側屈:最長筋
③ 脊柱の回旋:右回旋:右腸肋筋、左回旋筋
この筋の疲労による短縮は左回旋を邪魔する。
4-4 最長筋、棘筋、多裂筋は、横突起と棘突起の間にある。
① 最長筋、棘筋は、8、9胸椎以下3腰椎の高さまで
最長筋は棒状緊張部。棘筋は棘突起の際。各筋に標準2〜3本。
② 多裂筋は、仙骨部から8、9胸椎の高さまで。
最長筋の緊張の内側と棘筋の間に刺鍼する。片側に5〜6本。
4-5 脊柱、頸部の運動
① 肩甲間部から7頸椎までの部
半棘筋、多裂筋、板状筋が刺鍼対象になる。片側4〜5本。
5 背部深層筋のストレッチ
5-1 ストレッチの考え方
① 姿勢を活用しストレッチする筋を伸展させておいて筋を伸ばす。
姿勢を選ぶことが大切。そして施術対象筋を動かす。
5-2 ストレッチの姿勢
① 腸肋筋:長坐位で施術筋の脊柱を反対側に回旋させ、施術する。
〇 腰部とTh8以下の背部。
② 棘筋、最長筋:長坐位、脊柱屈曲位で施術する。
施術部位: L3〜Th8の間。
③ 多裂筋:長坐位(立位:脊柱伸展位)、施術筋側に脊柱回旋位で施術する。
施術部位:仙骨〜腰部〜Th8。
〇 Th7〜Th1の部。
④ 半棘筋、頸板状筋:長坐位、脊柱屈曲位で施術する。
〇 頚部
⑤ 頭板状筋・半棘筋:仰臥位、頭部を外側の向けた位置で施術する。