8月は、我が国にとって特別な月である。
特に、今年の8月は福島原発事故を体験した年として、原発について考えなければならない。
8月最後の土曜の一言である。

1938年に「リーゼ・マイトナー」という女性の原子物理学者が理論的に「核分裂」を証明しました。
ユダヤ人女性でした。
そして1945年に原子爆弾がつくられ広島、長崎に投下され第二次世界大戦が終結しました。
その後、地球上で戦争は繰り返されていますが原子爆弾は用いられていません。
戦争といえども原子爆弾は用いてはならないという人々の思いが何とか守られています。

原子爆弾は、核分裂が爆発的に起きる現象です。

核分裂の起き方を自由に制御する技術を開発し、核分裂の平和利用が可能になりました。

1947年にはアメリカ海軍が潜水艦用動力として原子力の検討を開始します。
1955年に潜水艦ノーチラス号のエンジンとして完成します。

アメリカでは1957年、1961年と発電用原子炉が完成し、本格的な商業発電を開始します。

日本の原発の第一号は、1966年7月25日に東海発電所が(現在閉鎖)運転を開始しました。
現在、全国に原子炉54基が稼働中です。 

原子力発電は、原子の核分裂を制御して用いています。
クリーンなエネルギーとして1960年代以降、世界中で用いられています。
原発は安心、安全なエネルギーとされてきましたが、しかし、1979年3月28日、アメリカ、スリーマイル島原発が、冷却材を喪失し、炉心溶融(メルトダウン)を起こし、安全神話は崩れました。
1986年4月26日、チェルノブイリ(当時はソ連のウクライナ共和国)原発が暴走を始め大爆発を起こしました。
そして2011年3月11日、福島第1原発事故です。 

核分裂を制御する技術はあるけれども、人間は間違いを犯す生き物である。
というところからは、安全神話などあり得ないのです。
核分裂の力は余りに大きく、自然災害と比較はできない深刻な被害です。
原爆を用いてはならないと同様に、生き物生存のために踏み込んではならないエネルギー領域だったのです。
安全神話などをつくった研究者、学者の責任は重大です。

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