実りの秋、保健体育鍼灸学が
国民に、鍼灸界に新しい時代を拓く
宝塚医療大学副学長 鍼灸学科長
西條一止
宝塚医療大学鍼灸学科は、鍼灸師の国家資格が取得できることはもちろんですが、選択により高等学校の保健体育教員免許状が取得できます。画期的なことです。
昨年度末の3月に教員免許状の制度が決定しましたので、一期生には広報が間に合いませんでした。
二期生へのオープンキャンパスが6月から開始されました。高校生が参加してくれます。 鍼灸の専門学校には、高校生がなかなか参加してくれません。鍼灸という職域は保険診療の枠の中にないので病院などへの就職はポストがありません。この点が理学療法士、看護師などの医療職との違いです。
今回、オープンキャンパスを実施してみて、手応えを感じています。昨年に比べると違うのです。参加してくる生徒の多くが保健体育教員免許状に魅力を感じています。
従来、鍼灸学科のオープンキャンパスに参加してこなかった保健体育の先生になろうかしらと考える、高校生群から参加してきていると考えられます。参加者の学習への向かい方、学力レベルが高くなっているように感じます。本学鍼灸学科の学生の学力レベルが高くなる可能性を感じます。
中学生、高校生に対し、「健康を保ち、身体を育てる。」ための生活知識の教育が強く求められます。あまりに健康に無関心です。立派な身体に育てるための生活知識と技術が求められます。「保健体育鍼灸学」は、身体の仕組みを活用して健康な心身を育てる鍼灸学の知恵を提供します。保険診療が崩壊するのではないかと危惧されています。
我が国の保険診療を立て直すのは、国民を健康、病気に関して賢くすることです。賢く医療機関を受診できる国民を育てることです。保健体育鍼灸学はこの期待に応える教員を育てます。我が国の鍼灸界に、国民の健康に新しい時代を拓きます。