「灘校・伝説の国語授業」、宝島社。橋本 武著。
昨年、小学館から出版された「奇跡の教室」という本が、灘校での橋本先生の国語授業を紹介し評判になりました。
「灘校・伝説の国語授業」の帯には、灘校を無名の滑り止め校から東大合格日本一に押し上げた「奇跡の授業が体験できる本」と書かれています。
橋本先生が、「銀の匙」という文庫本を中1から中3の3年間をかけてスローリーディンがされた。
授業の時に生徒に配られた資料を「銀の匙研究ノート」といわれていますが、それを本にして紹介しておられるのです。
まさに奇跡の授業を体験できるという思いです。
すばらしい内容です。橋本先生は、この授業をする思いを、
1 寄り道をする。
2 追体験をする。
3 徹底して調べる。
4 自分で考える。
とまとめておられます。
「銀の匙」という中勘助著、の夏目漱石が絶賛されたという名著を1冊読むことで、国語力を、学ぶ意欲を見事に開花させました。
「注入ではなく抽出する」という、まさに自ら学ぼうとする力を育てました。
本書を読んで国語が好きになるよねと思いました。
1年の初めには国語が好きが5%だったそうですが、3年の終わりには95%が国語が好きになっていたとのことです。
この豊かな内容の寄り道をするには、大変な努力が求められます。
本気で取り組まれておられる教師の鏡を拝見する思いです。
2009年10月12日のNHKテレビ、「ザ・コーチ」でも紹介されました。
橋本先生は、現在99歳でお元気なのだそうです。