「本気で生きる」
「医療は賢い患者達がその方向を決める。」
「大学は賢い入学希望者達がその方向を決める。」
「まことに小さな国が、開花期をむかえようとしている」、「坂の上の雲」、司馬遼太郎さんの書き出しです。
明治の人々は、世界の先進国と向き合い、必死で日本国を守っていました。
私たちは「必死で生きる」ことを第二次世界大戦の敗戦を経験しても忘れてしまったのでしょうか。敗戦後の生活は大変でした。忘れてはいけない多くの体験をしました。しかし、今日、本気で生きているのでしょうか。福島原発事故も関係者が本気で生きていたかが疑問です。本気で生きているつもり、しかし本当に本気で生きているのでしょうか。
私は、大学教育の場で仕事をしています。高卒者の40%が大学進学し、大学入学定員が、ほぼ同数になり大学を選ばなければどこかには入れる時代です。
多くの大学が入学者確保に懸命です。オープンキャンパス花盛りです。受験生はあちこちの大学のオープンキャンパスに参加し進学校を選んでいるのが、一般的でしょうか。
入学希望者は、本当にオープンキャンパスで入学先を決めようとしているのでしょうか。 オープンキャンパスをしている大学は、当大学の本当の姿をオープンキャンパスで示そうとしているのでしょうか。
大学案内も美辞麗句を並べるのは簡単です。大学案内は、オープンキャンパスは、大学の本当の姿を示しているのでしょうか。
大学は本当の姿を本気で示すべきです。格好いいことを見せるオープンキャンパスなどで受験生を惑わすことにエネルギーを費やすべきではありません。
受験生は賢くならなければなりません。大学の本当の姿は何処にあるのかを、しっかり何処で見ることができるのかを考え、問うべきです。ひょっとすると、そんなことを必要としない、大学で勉強しようなどとは思っていない受験生のために大学がお金をかけ人々が働いているのかなと思うと実に残念です。
大学も、受験生も本気になって入学のチャンスをどのようにつくったらよいかを考え、賢くならなければ多くの大学が大学という名の廃墟と化します。
2012年に期待したいところです。