3月の卒業時は、教え子たちが社会に、新しい展開に巣立とうとする姿を見て、喜びをかみしめるときです。しかし、4月、5月もまた別の心が温かくなる喜びを与えてもらえるときでもあります。
「4月に初任給をもらいました。地元のミカンを送ります」。というメールとともに任地の名産のミカンが届きました。
生活も安定したね。という安心感とミカンの甘酸っぱさが心にしみます。
初任給ミカンといって、同僚たちとミカンを一つずつ分け合いました。
40数年前、教員養成の学生の時に恩師の芹沢先生が授業の中で、「〇〇君が、初任給で地元のお菓子を送ってくれたんだよ」。というお話しを伺ったことを思い出します。
今、鍼灸師、マッサージ師の資格を得て、初任給で恩師に何かを送ろうという気持ちになれる、初任給をもらえた人たちがどれだけいるでしょうか。とても危うい状態だと思えます。
先生になるというのがもっとも安定した人たちでしょう。
鍼灸の大学が出来て、良かったのはその大学の教員になれた人たちだけ、鍼灸大学の卒業生の職場環境は全く専門学校の状態と変わっていないというのが現状です。
初任給でちょっとしたお礼の気持ちを表すことが出来る社会の仕組みを作らなければなりません。