医道の日本社が行ってきた臨床実態調査で多くの臨床家は1日の患者数が10名以下という実態である。
我が国の国民の平均年収の平均以下であろう。
多くの鍼灸治療者は患者に満足を提供できないでいると考えなければならない。
我が国の国民は健康不安を抱えた人々が沢山いて、医療機関を右往左往しているのが実態ではないであろうか。そんな中で鍼灸治療について口コミを得られないのは患者に治療について満足を提供していないと考えなければならないと思う。その原因は、ある人達には治療効果への不満であり、ある人達には治療代への経済的不満であろう。
鍼灸開業者は、確かな治療効果を期待できる治療法獲得に本気にならなくてはならない。
医道の日本誌の読者は、鍼灸開業者の中では意識レベルが高いと評価できるのではないであろうか。アンケートへの回答者は、さらに意識レベルは高いと平均的には考えてよいのではないかと思われる。
まず、情報収集能力を養うことである。そして本物を見分けるセンスを養うことである。
どこに本物の有益なものがあるのかを見極め求めることである。ただ動き回ればよいのではない。
今日は、犬も歩けば棒に当たるという世界ではない。
情報を整理評価して求めなければならない。
情報提供者の誰を信頼すればよいのかである。その吟味が重要である。
「腰痛治療の受療姿勢」
腰痛は、鍼灸治療を受ける患者の最も多い訴えである。
遭遇する訴えの最も多い症例ということである。
今年、NHKの「ためしてガッテン」でいわゆる腰痛症の80%の患者は診断がつかないという放送があった。
MRI検査も役に立たないという内容のものであった。
腰痛患者も医療関係者も困ったと戸惑ったところである。
役に立たない検査のために高い検査料は払いたくないと患者は思う。
医師も検査を進めにくい。
ここではそのことを問題にしようとは思わない。これはNHKが検討する問題である。
ここで問題にしたいのは、鍼灸治療において最も多い訴えの患者である腰痛患者に対して、治療を受ける姿勢をどのようにしているかということである。