普段はほとんど、気持ちよく快適な睡眠に恵まれている。
先日、思いがけず風邪を引き、朝起きた時に1度ほど熱が出た。
診療所に行く予定の日であったが、けだるいので止めにしようかと考えた。
しかしそれでは、今日は具合が悪いから医者に行くのは止めようかということであり、それはと思いタクシーを呼び診療所にうかがい血圧の薬と共に風邪薬をいただき帰宅した。
早速風邪薬を飲み始めた。
しかしわずかな熱であるが熱は下がらずに夜になった。
早めに休んだが寝ていて体中が痛む、寝返りをしてもどうやって寝ても身体が痛い。
そして布団が重く痛みを強くする。
夢うつつでそんなことを思い、考え目覚めるごとに時計を見るが30分、1時間しか経過していない。
早く朝にならないかと強く思いながら苦痛を懸命に我慢しようとしていた。
ひたすら朝になるのを待って。
布団が重ければ代えればよい、しかし、代えようとする発想が起きない。
解決しようとする発想が起きない。
今思うと不思議である.普段の私は、直ちに解決策を工夫しようとするのにしなかった。
ひたすら苦痛を格闘し、朝が来るのを待っていた。
たった1度の体温の上昇で私にこんな一夜があった。
種々の知恵を持っているはずの私が、ただ夜明けを待って格闘していた。
本来の私はそこに居なかったと考えざるを得ない。
そんなことが実際にある。
苦痛を堪え忍んでいる人たちがどれほどおられることかと思わざるを得ない。