2月11日、建国記念の日です。建国記念とはいつのことなのでしょうか。
明治22年、1889年2月11日の「大日本帝国憲法」明治憲法発布の日です。
憲法は国を納めるルールです。明治の時に欧米の文明諸外国に向かって、立憲国家として文明国としての宣言をした記念日なのです。
1889年2月11日に我が国は初めて立憲国家としての「憲法」制定したのです。
この第一の立役者、伊藤博文公は、日本の内閣制度を作り初代内閣総理大臣で、そして「大日本帝国憲法」の起草者です。
伊藤公は、大久保利通、木戸孝允(きど たかよし)に憲法草案を託されました。
伊藤公は憲法を起草する時に、日本の国民が、永年の封建制社会で過ごし、自らが主権者であるという意識が育っていないので、少し時間をかけて、主権在民として国民にこそ国の方向を選択する権利があるという意識を育てなければならないと考えていました。
そして「大日本帝国憲法」では、行政府に力を持たせる国家像にしています。
この「大日本帝国憲法」を持ちながらも昭和の時に軍部という勢力の台頭が国の道の選択を誤らせ、第2次世界大戦という過ちを犯しました。
国が暴走したのです。
そして今年は戦後70年です。
この第2次世界大戦を反省し、1947年(昭和22年)5月3日に日本国憲法が施行されました。
5月3日は「憲法記念日」で祝日です。
池上彰氏が朝日新聞に新聞ななめ読みという連載をしておられます。
本年2月27日のものです。
「皇太子様の会見発言」「憲法への発言 なぜ伝えぬ」というタイトルです。
2月23日は皇太子様の誕生日、それに向けて20日に東宮御所で記者会見が開かれ、その内容が、新聞各社の23日付朝刊に掲載されました。
戦後70年を迎えたことについての部分の毎日新聞の記事です。
「我が国は戦争の惨禍を経て、戦後、日本国憲法を基礎として築き上げられ、平和と繁栄を享受しています」と述べられたそうです。
皇太子様は、戦後日本の平和と繁栄が、日本国憲法を基礎としていると明言されたのですね。
以前ですと別に気にならない発言ですが、いまの内閣は、憲法解釈を変更したり、憲法それ自体を変えようとしたりしています。
そのことを考えますと、この時点で敢えて憲法に言及されたことは、意味を持ちます。
いまの憲法は大事なものですと語っているからです。
こんな大事な発言を記事に書かない朝日新聞の判断は、果たしてどんなものなのでしょうか。
他の新聞はどうか。
読売新聞、日本経済新聞、産経新聞にも、この部分の発言は出ていません。
毎日新聞の記者のニュース判断が光ります。
27日の朝日新聞朝刊3面に憲法改正「2段構え」、自民党推進本部が再始動。
という記事が見られます。
憲法改正論議がいよいよ本格化しようとしている年です。
総選挙の度に、投票率が低下しています。特に若者の投票率が低い状態です。
文明国として立憲国家として、これを主権在民としてわたしたちは支えているでしょうか。
伊藤博文公は、ラクダについて研究をするという時に、ドイツ国民は、図書館に行く。
フランス国民は、動物園に行く。
イギリス国民は、砂漠に行く。
学問研究は、実際を観察することこそ重要であると言っておられます。
自分自身の足を運んで実際を見ることです。
それを実践し、我が国の行く末をしっかり選択しましょう。