ガーデンアイランド多摩川店(世田谷区)は、ショッピングセンター内の園芸店であることを忘れさせる空間だ。
2008年の開店から、リピーター会員は4万人を超えた。
お目当ては「花野菜用かるーい培養土」。
天然ココヤシ殻が主原料で、重さは普通の培養土の約6割。
高い保水力で水やりが少なくて済み、虫もよりにくい。
廃棄されたヤシ殻なので地球に負荷をかけない「土」だ。
女性が両脇に抱え軽々と持ち帰る。


低品質だと見向きもされなかったココヤシ殻に目を付けた。
全国の農業試験場を訪ね歩き、OB職員と協力しながら、何百種類もの試験栽培を繰り返し、ココヤシ殻で、植物が良く育つ配合を開発。
09年から全国のホームセンターなどで販売をはじめ、年に120万袋を売り上げる。
コーヒーチェーン店大手のコーヒー豆かすから作る堆肥など、環境に配慮した独自製品も打ち出し、家庭用園芸用土で国内シェアトップ規模に成長した。


「緑を育てる園芸会社が、これまでは地球を掘り、傷つけて土を採ってきた。廃材から土を作り草花を育てれば、究極のリサイクルになる」

土の使い方や草花の育て方を詳しく紹介する公式サイトの動画は、累計再生回数1200万回を超える。庭やベランダの造園や、植物の管理などを請け負う事業部もある。

「重い、手間がかかる、やり方がわからないなどのハードルを少しでも下げたい。草花を育てる楽しさを、多くの人に味わって欲しい」

 「持続的な社会を子供達に残したいのです。それも手軽に、誰もが出来るやり方で。地球の緑化推進に少しでも役に立てたら嬉しい」

42歳の佐藤隆嗣社長、しっかりしたもののとらえ方、着想、必要なことを総合的に発展させる手腕、素晴らしい仕事ぶりですね。自分たちの仕事のあり方に参考にしたいものです。

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