久しぶりの「土曜の一言」です。
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「科学者とは」

朝日新聞2016年6月8日朝刊のオピニオン欄インタビュー記事です。

理論物理学者 米テキサス大学教授

スティーブン・ワインバーグさん
Steven Wienberg 1933年生まれ。79年にノーベル物理学賞受賞。

スティーブン・ワインバーグ教授の著書「科学の発見」が論争を巻き起こしている。
・・・・教授が問いかけるのは「科学とは何か」という根本的な問いだ。
本人に聞いた。

古代ギリシャのプラトンやアリストテレスといった人たちは、科学者というよりも「詩人」、と呼んだ方がふさわしいと分かったのです。

科学の源流は、プラトンやアリストテレスにあると考える人たちもいます。
なぜ「詩人」なのですか。

「自然の観察抜きに論理や数学だけに頼って理解しようとするのは科学ではありません。
例えば彼らは物質を構成する元素について見解を述べていますが、理論や観測に基づいていません。
単に、世界はこうあるだろう、という詩的イメージを述べているに過ぎません。」

・・・・

「科学とは、自然を学ぶ方法のことです。それには正しい方法が存在するのです。」

・・・・

「私は、科学者、特に物理学者であることがどういうことか明確な感覚を持っています。
観測や実験から得た情報に基づき初期の理論を立ち上げる。
うまく行ったら、より多くの現象、より小さなスケール、より大きなスケールに当てはまる数式にまとめていく。
常に実験や観測に照らしつつさらに異なる現象を統合し、より統一された理論を目指す。
それが科学です。」

・・・・。

 

「科学の発見」文芸春秋社。

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