以下の文章は、4月5日に宝塚医療大学での新入生に対するオリエンテーションの資料です。
「準備して 参加する 授業」
副学長 西條一止
新入生諸君。入学おめでとうございます。
今日から、諸君の人生において重要な意味を持つ舞台の幕が開いたのです。
どうしたらこのチャンスを十分に生かし、社会の期待に応えられるでしょうか。
その第一番に大切なことが「準備をして参加する授業」です。
これはなんの写真か分かりますね。
富士山の写真ですね。
やや上から富士山を見ています。この写真はどこから撮ったものでしょう。羽田発、関西空港行きの飛行機から撮影しています。私が撮りました。
11月24日、この日は、朝起きるとすばらしい秋晴れでした。関西空港行きの飛行機は富士山の南側を通ることを私は知っていました。今日は富士山がよく見えるぞと思い、いつもより1時間も早く羽田に向かいました。富士山の見えるよい席を確保するためです。飛行機の先頭に向かって右側の窓側席、しかも主翼の上ではだめなのです。上手く席が確保できました。飛行機に乗り直ちにカメラを準備し、飛び立つのを待ちます。飛行機が飛んで5分後ほどで富士山がよく見えるようになるのです。写真が撮れました。この写真は偶然撮れたのではなく、準備をして臨んで撮ったものなのです。準備があってできたことなのです。しかし、天候は偶然の運です。運も人生では大切ですが、準備があって運がいきるのです。
「準備をして参加する授業」。予習というと当たり前のことに聞こえます。そこであえて「準備をして参加」といいたいのです。
予めテキストを読んでおくと理解しにくいところが明確になります。明確になるように読まなければなりません。文字を追っかけるだけでは読んだことになりません。
予めの準備こそが大きな意味を持ちます。実のある学問を身に付ける重要な要素です。
準備には時間が必要です。必要な時間を確保するための努力が必要です。
少しでも多くの、活動に必要な時間を確保するに最も大切なことは、1日の時間は24時間しかありません、24時間をいかに有効に活用するかの問題です。人間は夜行性動物ではありません。昼間活動する昼行性動物です。24時間の地球の自転のリズムに私たちの身体は支配されています。そのリズムを乱さない生活が私たちの身体を生き生きさせます。
私たちの体内には、25時間リズムの時計があります。朝、起床し朝日を浴びることで時刻が地球リズムにリセットされます。それを毎日繰り返します。体内時計がリセットされるというチャンスに身体の色々な働きが調整されます。朝、規則的に起床するところに全てのスタートがあります。特に、午前0時〜3時の時間帯は最も深い眠りを可能にします。どの時間帯で寝ても同じではないのです。
「準備して参加する学生生活」の基本は、生き物としてのリズムを生かした規則的な生活による、身体の機能がいつもフル回転できる状態の維持にあります。
いよいよ新たなスタートです。新入生諸君の輝かしい大学生活を創造する決意を促し、果敢な健闘に期待します。
〇 授業は、教員と学生の協働作業
授業は教員が種々の準備をします。しかし学生にも理解しようという準備が必要です。
学生の聞こうという態度が教員によい講義をさせます。
よい授業は、教員と学生とのよい協働作業で成立します。
〇 宝塚医療大学でよい授業を創りましょう。
よい授業は、私たちにとても大切な小さな喜びです。
小さな喜びが、私たちを元気にします。