昨年の9月24日に本欄で「生命の時間、文明・文化の時間」ということを書きました。
「コンピュータ技術の発展は、社会全体の動きを猛烈に早くしました。
しかし、スピードアップしないものがあります。
生命に関する「生物リズム」は、スピードアップしません。
身体の調子を整えることは、生物リズムが基本にあります。
鍼灸治療などは、社会のスピード化に合わせてスピード化できません。
生命の時間はスピード化できないのです。
そのことを理解することが良い健康状態を確保する大切なことです。」ということを書きました。
そして私は、臨床活動の中で患者にそのことの大切さをお話ししています。
そこに本当の意味の治療があると考えています。
そこに人の健康管理への要請があると考えているわけです。
しかし、短い時間で治療してもらえたらいいねという思い。
治療費が安ければいいねという思いがあります。
免許を取り立ての治療者は、高いお金の治療代などもらえません。
鍼灸の初心者は、如何に治療代を安くし、治療を受けやすくするかが自分の道を切り開くことができるかどうかにも関わります。
理想は理想として、その理想に到達する課程としてのあり方を模索することも大切です。
身体の仕組みを活用する、生体リズムを活用する自然鍼灸学による治療は、1時間程かかります。
しかし、その本質を損なわずに、治療時間の短縮について考え、30分でできる自然鍼灸学治療を考案しています。
鍼灸師の新人教育の一環です。