15日(月)は休日でした。
しかし、火曜日は午前中に講義なので15日に関西に向かいました。
あの雪です。
つくばの家を出るときには雪は降っていませんでした。
しかし、東京に近くなるに従い雪が積もり始めました。
羽田は猛吹雪でした。
13:00発の伊丹行きを予約していましたが、12:30分頃にアナウンスがあって大幅に遅れているとのことでした。
しかし、60番ゲートにはすでに飛行機が駐機していましたから、伊丹行きは大丈夫かと思いましたが、カウンターで聞いてみると、あの飛行機は11:00発のものが出発待機しています。
とのことです。
13:00発のまだ到着していませんとのことです。
そんなこと早く伝えてほしいよと掛け合いチケットをキャンセルし新幹線で大阪に着きました。
航空会社はこの天気模様だから当然のような顔をしています。
飛べないにしても対応が変です。

17日(木)の伊丹発14:00時の飛行機を予約していました。
最新鋭機787を選んで予約していました.世界各地での同機の不具合で、一斉欠航になりました。
インターネットで予約していましたので欠航のメールが朝入りました。
しかしメールには払い戻しのことは書いてありますが、どうしたら飛行機に乗れるかについては書いてありません。
航空会社に電話しても全く繋がりません。
1時間もあれこれやってやっと15:00時発の羽田行きの予約ができました。
ぐったりです。対応が全く良くありません。

教育機関として人を指導する大学の対応も問題ばかりです。
大阪の高校の部活問題もどのように解決できるのか大変です。
個人が決意しただけではどうにもなりません。
集団が決意しなければできません。
民主主義社会では集団が決意するのは大変です。
問題が山積です。

昨年の5月に楽歩堂という靴屋さんで偶然の出会いで靴底が特殊な形をした靴を見つけました。
何でも興味を持つ方なので店長と話し込み履いてみますかということになりました。
靴の中は普通なのですが、踵から5分の2程のところまでが平らでその先5分の3程が上に上がっているのです。
後ろ5分の2のところで立つとちょっと重心が後ろで安定しません。
前5分の3のところで立つとつま先立ちになります。
本を立ち読みするなどは安定しません。
最初はうまく歩けないそうです。
ところが私はすいすい歩けたのです。
お上手ですねと店長におだてられて買いました。

これが掘り出し物の靴です。
ドイツ製だそうですが、歩幅を大きくしてスピード歩行ができます。
踵で着地して、ローリングするように前5分の3の部分に体重移動をします。
このときには踵があがりつま先立ちになります。つま先立ちというのは足関節が伸びるのです(底屈)。
自然に膝が伸び股関節が伸びます。
骨盤を前に押し出すような形になり、反対の足を大きく踏み出すことになります。
そうすると自然に腰背中が伸びます。
天に向かって背伸びをするような気分です。
とても良い姿勢の歩行ということだと思います。

昨年は、腰痛に悩まされました。
8月にMRI検査をしたらL4とL5間の椎間円板が潰れていました。
以来、腰にちょっと気を遣っています。
そして一番いいと考えているのが、この靴を履いての背伸び歩行です。
腰周囲の筋群のバランスを整えるのに一番適していると考え、ちょっと腰に負担をかけたときにはその後この靴を履いての散歩をします。
颯爽と背伸び歩行をしましょう。

今年最後のメッセージです。
お付き合いいただいた皆様ありがとうございます。
何を書こうかいろいろ考えました。
やはり「夢」を書きたいと思いました。

  私の著書

「臨床鍼灸学を拓く」(2003年)と「臨床鍼灸治療学」(2005年)は、私の鍼灸の専門家としてのメッセージです。
両署を今回、第2版として増補改訂します。
2版の「序文」をお伝えします。
数年間テキストとして用いた結果、必要なところを増補できました。

私が言葉を発せられなくなっても私の代講をしてもらえる基盤ができたかなという思いです。
正月5日はお休みにします。



「臨床鍼灸学を拓く」

改訂2版

                     2版への序

                                                筑波技術短期大学 名誉教授

                                                現 宝塚医療大学 保健医療学部

                                                                  鍼灸学科教授

                                                                    西條一止

 「臨床鍼灸学を拓く」初版から丁度10年が経過しました。
本書の真髄は「生体の自然の仕組みを活用する治療」です。
「人に優しい鍼治療」です。
そこから「自然鍼灸学」とも呼びます。
自然鍼灸学の大きな柱は、次の二つの柱です。

 1 宇宙、地球環境の時間のリズムです。特に呼吸のリズムが副交感神経における最も重要なリズムです。

 2 宇宙、地球環境の重力の場です。特に重力に対する生体の姿勢が交感神経における最も重要な要素です。

今回、次の3点を増補しなければならないという思いで2版の出版となりました。

第一点は、目次、2 「なぜそうなのか:臨床鍼灸学の意味」に、

 11 「治療を受ける体位と生体反応」を追加しました。
 治療を受ける姿勢による効果の違いの基本についてp43から49で述べました。

第二点は、臨床からの六つのメカニズムについての、M5とM6の同じ刺激を用いるのに治療を受ける姿勢によって効果がなぜ真反対になるのかの答えが初版では示せませんでした。

 今回p71に書きました。

第三点は、本書の治療は自律神経機能が基本にあります。
 自律神経機能遮断剤を用いた実験により瞬時心拍数における交感神経、副交感神経の意味を解明しています。

   「動的自律神経機能観察法:瞬時心拍数と自律神経機能」として19頁にわたり詳述しています。

本書における自律神経に関する資料は、瞬時心拍数が測定の簡便化により健康産業、スポーツ現場、医療臨床現場等で活用される際の基礎、臨床研究の貴重な資料となります。

なお、経穴の部位について世界標準が定められました。
本書は、改訂前の経穴部位を用いて実験研究した資料です。
したがって経穴名部位は従来のものです。
従来においても日本では経穴は部位を移動するものというのが大方の専門家の人々の見解でした。
臨床の場においては、触診情報を主に刺鍼部位(経穴部位)を決めています。

本書が多くの皆様に広くお役に立てることを祈念し世に送ります。

                                 20131


「臨床鍼灸治療学」 第2版の序

「守るだけでは伝わらない」

中村勘三郎さんの言葉です。
中村勘三郎さんがなさったように、伝統鍼灸を伝えるための一歩を踏み出したのが、「臨床鍼灸学を拓く」(2003年初版)と2005年に出版された「臨床鍼灸学」初版です。

本書の鍼治療の特徴は、何といっても「身体の自然の仕組みを用いる経験医術の真髄を生かした科学的鍼治療」です。
そして「伝えることができる鍼治療」です。

中村勘三郎さんは、「守るだけでは伝わらない」と言われていましたた。
背中を押していただいた思いです。

今回、大幅に増補し第2版の出版になりました。

「臨床鍼灸学を拓く」、「臨床鍼灸治療学」をテキストとして、新宿鍼灸柔整専門学校、日本伝統鍼灸大学院大学、盛岡医療福祉専門学校、平成医療専門学校教員養成科、東洋医療臨床技術大学校アカデミー、宝塚医療大学等で、「臨床鍼灸学」の講義を続けてきました。
その間における指導の成果と学びが今回の増補改訂になりました。

 1 江戸、明治そして今日への「鍼灸の技術革新と科学化」についての歴史経緯を書きました。今日の我が国の鍼灸教育の原点です。

  2 刺鍼の基礎技術について書きました。基礎技術がとても大切なことを痛感したからです。
   刺鍼の基礎技術がしっかりしていないと状況に応じた臨床技術に発展できません。しかも基本に忠実な基礎技術が大切です。

  3 鍼治療を組み立てる設計図を書きました。

「基本的治療」で各患者に必要な治療を書き出す枠を決めました。
そこで書き出された、患者に必要な治療を「実際の治療パターン」に位置つける仕組みも書きました。

臨床家が頭の中で行っていることを順を追って書き出すようにしました。

治療の順序に従って患者が治療を受ける姿勢とそのときに行う治療が並んでくる手順です。

 4 自然鍼灸学治療で特に重要な刺鍼について深層背筋(多裂筋、最長筋)刺鍼、腹部刺鍼、大腰筋刺鍼、中殿筋刺鍼、足底筋刺鍼、合谷刺鍼、頚部刺鍼、背部刺鍼、肩甲下筋刺鍼など具体的な刺鍼方法を書きました。

臨床鍼灸の臨床力を高めるためのきわめて実践的な書物になりました。

次の世代に伝えられる書です。
多くの人々にお読みいただき、臨床鍼灸実践力を培って国民の期待に応えられる鍼灸を提供していただけることを祈念します。

20131

           西條一止



12月9日(日)の朝日新聞朝刊で紹介されていました。
早速本屋さんで求め読みました。
NHKの朝イチでも紹介されたそうです。
評判になっているようです。

はなちゃんという女の子の若いお母さんが乳がんで亡くなるという実話の本です。
闘病のあり方、代替医療が関わっています。
特にいろいろな患者に関わるものとして患者とどのように対応して行くことが求められるかを問われます。
考えるよい機会を提供してくれます。

以下は、植松 稔著「抗がん剤治療のうそ」21ページよりの引用です。




「がんの大きさと細胞の数」:



がんの大きさ 1センチ 細胞の数 10億個

                5ミリ              12500万個

                1ミリ              100万個

がんは大きさが5ミリ以下では画像で発見できない。

がんが5ミリ以下の大きさはすべて「微小転移」という。

「微小転移」に含まれるがん細胞の数は、1個から1億個までの可能性がある。

「微小転移」とは、これほどまでに様々な状態を示している。

中村勘三郎さんが亡くなられました。
テレビで新聞で伝えられています。

すばらしい歌舞伎俳優です。
伝統芸能を背負う人としての生き方に感動します。
「守るだけでは伝わらない」、新しい領域に、新しい人々を求めて、伝えるべき伝統を浸透させてゆかれました。
涙が流れます。
励まされます。
力をもらえます。
ご冥福を祈念します。

12月1日は、上空に寒気があり気象条件が激しく変化する日でした。

つくば市で午前10時過ぎから局地的な激しい雨カが降りました。

11時過ぎに車で出かけました。
南の空から急に晴れてきました。
突然、西の空の低いところに立派な虹が出ました。
赤、だいだい、黄、緑、青、藍、紫の7色の虹がくっきりと見えます。
しかもです。
紫の下に赤、だいだい、黄、緑・・・のもう一つの虹が見えるのです。
これは初めて見ました。

こんなことが起きることができるのは、通常の虹が見えている水滴の幕よりもやや後方に下に見えている虹の幕が存在したということしか考えられないかと思います。

大変に珍しいことです。
何か良いことがある前兆でしょうか。
それであるとうれしいですね。
カメラを持参していなかったために写真に撮れませんでした。
証拠が残っていないのです。
でも、午前11時過ぎですからそれなりに見ている人たちがいると思います。

12時過ぎには空が真っ暗になり、雹が降りました

自然鍼灸学の大きな柱の一つ、M4(浅刺・呼気時。坐位の刺鍼)は、身体の調節する力を高める方法です。
この身体の調節力を高める方法を社会に登場させようという試みです。
NHKテレビでも何度も紹介しましたが、今度はスポーツの世界でのお話しです。

「あがり」を予防する身体作り、をM4を用いて行おうということです。

関西で、セレンディピティのような出会いがありました。
大学の運動生理学の先生、高等学校の有名運動クラブの監督の先生、そして私たちの出会いです。
意気投合し高校の運動クラブを優勝できるチームに「あがり」を予防する身体作りをしようということになったのです。
「あがり」が大きく影響する競技なので話がうまく発展しました。

「あがり」がうまく予防できて運動クラブの成績が向上すれば、大変おもしろいことにもなります。
12月1日、平成24年最後の月です。
平成25年に向かって夢が膨らむことを書くことができうれしく思います。
来年はこの件に関しいろいろお話しできるものと思います。 

NHKサイエンスZERO       鍼灸関係者必見です。

        1111日(日)、NHKEテレ放送

        1117日(土)、NHKEテレ再放送

 バイオミメティクス:生物模倣

 生物の秘めている超絶能力をいかせ 

 バイオミメティクスには 1 形態模倣 かわせみ:新幹線の先頭部分の形態

                    ハコフグ:車の軽量化

                             2 機能模倣  カタツムリ:汚れがつかない

 気づかれずに吸血する:蚊の生物超絶能力

   無痛注射針の研究に 蚊の吸血作業に学ぶ。

      関西大学 システム理工学部 青柳誠司教授

    蚊の吸血行動をハイスピードカメラで撮影に成功(1年間の努力)

    蚊のハリは、太さが0.0数ミリそのハリ(鞘)の中に、6本の細いハリが内蔵している。

    6本のハリは

   1番目 最初に穴を開けてゆくハリ: 外側に2本:片側がのこぎり状になっている、最初に侵入してくる。細かく交互に前後して侵入してくる。のこぎり状の部分は外側に向いている。

     太さは:0.015mm

   2番目 2本のハリが開けた間に侵入してきて唾液を血液に注入し血液の凝固を抑え、抜く。 

   3番目 次に本命の血液を吸うハリが侵入する。太さは:0.03mm2分間かけて、血を吸う。吸い終わると、

   4番目 血液を吸うはリを挟むように侵入して来て、血液を吸ったハリから血液が漏れないように包み抜いてゆく。

 5番目の作業は、最初に孔を切り開いたのこぎり状のハリを抜く作業である。 

          このとき、のこぎりのぎざぎざの面を孔の内側に向きを変えて抜く。

       という吸血の1連の作業である。

最初に孔を切り開くのこぎり状のハリの動きは、2本が交互に細かに前後する動きで進める。切皮の極意か。

14日の夜ホテルに帰り、テレビを見てびっくりしました。
野田総理が党首討論会で自民党安倍総裁に懸案の課題を解決することに協力すると約束すれば、16日に衆議院を解散します。
といわれました。
今までが今までだったので安倍総裁は即答できませんでした。
誰が軍師なのだろうと思います。
民主党内は大変ですが、既成政党が何とか生き残り第3局つぶしにはこれ以上ないタイミングだったと思いました。

小沢一郎党首も無罪判決を受け、選挙に間に合いました。
日本国民はこの衆議院選挙でどんな選択をできるでしょうか12月16日には結論が出ます。
私たちは選択しなければなりません。
しかし、選択しにくい状態におかれました。
これからの1ヶ月間しっかり見て選択しなければなりません。

 

ようやく設置不認可をせずに設置認可ということで決着しました。
3大学関係者は大変だったと思います。
大学新設をしてきたものとしては気持ちがよくわかります。

しかし、田中文科大臣発言は何だったのでしょうか。
問題はどこにあったのでしょうか。

以下は9日(金)の朝日の朝刊の記事の要点です。

20年で1.5倍、目立つ定員割れ、

「大学の乱立を止めて質を確保し、時代の要請にあった卒業生を生み出すために舵を切らなければならない。」

 大学の数:

  1992年    523

  2012年   783校 1.5倍 

 1991年 大学設置基準が見直され、学部の多様化が進行。

 小泉内閣の規制緩和の流れを受け、

 

 03年度の審査から、従来の大学設置の「抑制方針」を撤廃したことが影響。

 私立4年制大学:577校のうち、

今春、定員割れ264校(定員割れの学部、もしくは学科等を持つ大学)、45.8 

 

大学として入学者の割合が50%以下は、18校。です。

日本の大学は大きな曲がり角にいるのです。
文科省の大学設置への対策があまりに遅れていた。
ということが本当の理由です。

「入学するのは困難だが卒業は楽に」といわれた日本の大学に、入学の壁もなくなったら、大学に何が残るのでしょう。

日本の大学教育そのものへの革命を大学関係者、私たちは求められたのです。

 

10月25日、26日に日本自律神経学会が東京の都市センターホテルで行われました。

30数年ぶりで一般講演の発表をし印象的でした。
単に発表ではなく、社会への新しい提案です。
また、新たなスタートという意味もあります。
74歳がですが、新潟大学の医学部生理学教授であった先生が、91歳でかくしゃくと講演されていました。

学位の指導などでお世話になった東京大学医学部内科物理学教室の教授であった大島良雄先生のことを思い出しました。
日本温泉気候物理療法学会の中心的な先生でしたが、学会に参加しておられるときには、いつも、会場のほぼ真ん中で二列目に座っておられるのです。
パイプを加えて黙って講演を聴いておられました。
たまに質問をされます。
大島先生が座っておられるだけで、緊張感が沸き背中を伸ばしたくなります。
参加者皆をそんな風な気持ちにさせておられたと思います。
大島先生が座られるであろうところには誰も座らないのです。
まさに学会のシンボルでした。

若い研究者たちと語らい、「先生にお会いできて嬉しかったです」などといわれて、こちらも嬉しかったです。
若い研究者を励ます意味で、適切な質問をし会場を活発な雰囲気にすることはとても大事なことです。
力がないとできないことなのです。
しばらく学会活動をしたいなと思いました。

 
「こけたら立ちなはれ」松下幸之助の言葉です。

著者、岩谷英昭:米国松下電器社長、会長です。
物づくり日本、技術立国日本の家電メーカーが赤字に転落。
世界で苦戦しています。
それはなぜかと解説し、反転攻勢の方策について述べています。

バブル崩壊による不況を乗り越えるために企業が行ったリストラが、高度技術者の海外進出を起こし、技術輸出を勧め、コンピュータ技術のデジタル化が高度技術の平均的技術水準を上げ、技術差をなくした。
そして水平分割経営という自社完結型の経営からの変化に遅れたことが、今日の状況を招いたと解説しています。

日本の産業の現状を知る指南書でしょうか。

全く門外漢です。しかし、感覚的に受け止め興味深く読みました。

「化石の分子生物学」 更科 功著 講談社現代新書
本書と選集の「ネアンデルタール奇跡の再発見」の2書は、9月30日、日曜日の朝日新聞書評欄で、福岡伸一先生が書評をされていた書物である。
「科学の分子生物学」は、DNA研究の解説書で、具体的な研究方法、問題点が克明に解説されている。
内容のダイジェストは分量としてしにくい。非常に興味深い内容である。
目次を示す。
  • ネアンデルタ現生人類交配したか

 克明に解説されている。

第二章 ルイ十七世は生きていた? 

  DNA分析の結果が示されている。

第三章 剥製やミイラのDNAを探る

第四章 縄文人の起源

第五章 ジュラシック。パークの夢

  化石骨、コハクの中の古代DNAなどの分析の問題点と研究の困難さが大変興味深く記されている。

第六章 分子の進化:現在の人間は進化しているか

第七章 カンブリア紀の爆発:現在のDNAから過去を探る

第八章 化石タンパク質への挑戦

遺伝子研究が大盛況を迎えている時代である。本書の内容から著者は大変優秀な方である。非常な興味を引かれて読ませてもらえます。

「ネアンデルタール人 奇跡の再発見」

小野昭著 朝日新聞出版部

わくわく興奮して、こんな幸せな思いにさせてもらえる人生に感謝しました。以下に要点を記します。

1856年 ネアンデル渓谷で ネアンデルタール人 化石人骨発見。

発見は採掘中のできごとであった。
洞窟を突き崩す作業に従事していた労働者たちは、目にしたものが何かの動物の骨だとわかったが、人間の骨とは思っていなかったようだ。
そのため、骨の大部分は洞窟の外に廃棄されてしまった。
運よく一部の骨だけが回収され、今日まで残ることになった。
しかし発見場所の洞窟は、産業革命期のセメント用石灰岩採掘のターゲットであったので、その後、跡形もなく取り尽くされてしまった。

人骨が発見された「小フェルトホーファー洞窟」も採掘の対象となって崩されてしまった。
1900年には、ネアンデル渓谷は消失し平地になってしまった。

なぜ執拗に発見地を突き止めようとするのか。

考古学、人類学では、どこで発見されたか、いつごろ(時代や年代)のものであるか、これが議論の前提となる最も基礎的で重要な事項である。

考古学の方法論では、「どこで」は資料の分布論的基礎となり、「いつごろの」は編年論として年代学的基礎となる。
こうした基礎条件を欠いた資料は、たとえ資料自体がすばらしいものであっても、資料的価値はきわめて低い。

二人の若い考古学研究者ラルフ・シュミッツ(Ralf W.Schmitz)とユルゲン・ティッセン(Ju¨rgen Thissen)は、ネアンデルタール人骨が最初に発見された場所をピンポイントに奇跡的に突き止めた。
二人は1997年に渓谷で人骨の断片を発見した。
新に発見した骨の破片は、1856年発見の標本化石骨の大腿骨の一部に接合し、これによって模式標本の発見場所が特定された。
1999年1月21日のことである。
その後2001年2月13日に、2000年の追加発掘で発見された頬骨を、模式標本化石骨の頭骨に接合することに成功した。

同化石骨標本のミトコンドリアDNAの分析に1996年11月13日世界で初めて成功。

 1997年7月、Cellに掲載された。

ネアンデルタール人のミトコンドリアDNAの塩基配列は、現生人類の遺伝的変異の外にある。

1998年同化石骨標本の放射性炭素年代測定が行われた。加速器質量分析装置(AMS)を用いたのもである。

測定結果は、4万年前~3万9000年前。中期旧石器時代の末、ネアンデルタール人の末葉の年代と一致した。


なお、2010年にはクロアチアのヴィンディア洞窟で発見されたネアンデルタ-ル人骨の核DNAの分析結果が発表された(Green et al. 2010)。
それまでのミトコンドリアDNAの分析からは、ネアンデルタール人とホモ・サビエンスの間には交雑はなかったとされてきた。
しかし、この洞窟のネアンデルタール人の全ゲノム配列の公表の結果は、アフリカを除く現代人のゲノムの1~4%は、ネアンデルタール人との交雑の結果を示しているという。

10月25,26日に第65回日本自律神経学会が東京の都市センターで開催されます。

40歳で筑波大学理療科教員養成施設で施設長になって以来、特別講演、教育講演、シンポジウムなどで講演をしてきましたが、学会における人生最後の一般講演での発表をします。
30年前に行った自律神経遮断剤を用いた自律神経機能を解析した資料を基に、「瞬時心拍数における深呼吸時の変化に観察できる副交感神経機能抑制について」という演題です。

社会で副交感神経機能抑制がいろいろいわれています。
しかし具体的な観察方法に良いものが示されていません。

瞬時心拍数の観察が簡便になったので、この機会に深呼吸を用いた副交感神経機能抑制の観察法を発表しようということです。

臨床例を山下さんがスポーツ領域の例を、中條さんが鍼灸領域の例を発表します。

医療、スポーツ、健康などの領域で貢献してくれるものと期待しています。

著者は、三砂ちづるさんです。
前著に「オニババ化する女たち」(光文社)という本を読まれた方も多いと思います。 



現代を生きている私たちにとって、一番身近な問題について提案しています。

以下はプロローグの最後の文章です。

・・・・・・

この本は、「機嫌の良いおばさん」をつくるために、おじさんも機嫌良くやっていただきたい。
という本です・・・・・あれ、少し違ったような気もしますが、とにかく、まず男性に手に取っていただけるとうれしい、と思う本です。
既婚男性で、なんとなく、うちって機嫌が悪い夫婦だ、と思われる方に、女性のことをもっと理解してもらいたい、という本でもあります。

私は、9年前、筑波技術短期大学退職の年の1月に腰痛を発症しました。
階段の歩行が困難になり、右下腿の長・短腓骨筋が睡眠中によく痙攣を起こしました。
筑波技術短期大学の診療所で診察を受け「脊柱管狭窄症」という診断でした。
このとき治療としては、家庭用低周波治療器の電極を右の腰部と右の下腿外側とにおいて、昼も夜も通電し続けて1ヶ月で何とか治まりました。
以来、9年間は再発がほとんどなかったのですが、今年になって、1月、3月、5月と3回、今度は、左下肢に発症しました。症状は、階段の上り下りができないでした。
平地は歩けました。
消炎鎮痛剤が(ロキソニン)が有効でした。

8月に時間があったので腰がどんな状況になっているのかMRIの検査を受けました。

なんとL4とL5間の椎間円盤が潰れていました。
潰れていても普段は腰痛などないのです。
腰部にX線やMRIで所見があっても必ずしも腰痛と関係しないことがあるということを実感しました。
そして、9月8日(土)の朝に腰部の異常を感じました。

しかし、当日は、午前に学会の委員会、夜に東洋医療臨床技術アカデミーの講義3時間が予定でした。
いずれも休むことはできません。
しかし、時間と共に左臀部の深部での締め付け感が強くなりました。
午後には間欠性跛行が始まり、10m〜20m程で休息を必要とするようになりました。
神経根性間欠性跛行です。
なんとか9時まで講義し東京のホテルに泊まりました。
翌朝は立てませんでした。
腰を曲げるとわずかに歩行ができる状態でした。

神経根性の間欠性歩行という状態の時に、休息しながら歩行するということは、歩行運動により神経根部を刺激し炎症を強くすることを知りました。
消炎鎮痛剤が必要です。
神経根性の間欠性歩行という症状の時には、休みながら歩行をしてはいけないということのようです。
炎症症状を拡大するようです。 

乳がんをケーススタディとしてというサブタイトルをつけています。
本のタイトルのようにとても大切なことを書いてくれている本です。

乳がんの症例を対象とした過去の臨床試験のデータから新しい事実お引きだし、現在は、乳がんの手術後にできるだけ早く、再発予防を目的として抗がん剤を用いるというのが通例だそうです。
しかし、そのようにしたときと再発が起きてから抗がん剤治療をしても、その後の生存率に差がないという臨床試験の結果なので、予防的に用いる必要性はないと主張しています。

また、臨床試験の統計のルールについて大きな誤りを指摘しています。
この統計の問題は、世界的に権威ある雑誌に掲載されている臨床試験についての論文への指摘であり、大きな問題です。
統計のあり方についての問題の指摘で、内容をしっかり把握できる統計のあり方でなければならないという主張をされており、私は同意できると考えます。

必読の書です。

著者は、植松 稔先生という放射線医師の方です。

 

朝日新聞です。

「ヒトの設計図に当たり、病気の解明などを目指して盛んに研究されている前遺伝情報(ゲノム)の約8割は、遺伝子の働きを調節するなど生命維持に必要な役割を担っていることがわかった。これまで、無駄と思われていた部分も有用であることを示しており、私たちの生命観を変えて創薬にもつながる成果として6日付英科学誌ネイチャーに論文が発表された。」

とあります。

やはりと思いましたが、ゲノムの数%以外は、「無駄と思われていた」。
つまり、研究で解明されていないことを、不明であるとしなければならないことを、無駄、不要としてしまっていたわけです。
変ですね。
科学的視点に欠けているといわなければなりません。
そんなことを受け止められる感覚を、センスを私たちは持たなければならないと思います。

このようなことを指摘できなかった生き物についての専門家は反省しなければなりません。
私自身のことでもあります。
そうかと思ってしまう。変だぞと思えるセンサーを磨かなければなりません。



表記の会を8月下旬に持ちました。
私は郷里にはいませんが長男で家を継いでいます。

郷里の「山荘、京ケ岳」という標高520mの所にある眺望のすばらしい山荘です。

私は74歳になりましたが、長姉は私の10歳年上で84歳、4番目の姉と妹の3家族が郷里におります。
私と2・3番目の姉と弟の4家族が関東にいます。

父が存命中は、私たちも若かったので折に触れて家族会を父は招集していました。
私たちの子供が大学進学、就職し始めを迎える頃には、参加できない子供たちが出始めました。 
私たち兄弟が中心の会は、今回が最後かなとの思いもありました。

関東の二人の姉は健康上の問題もあり、参加できませんでした。

私たちの子供世代は、長姉の長男が最も年上で63歳です、結婚相手も含めて12名参加しました。
孫世代が8名でした。

子供世代はそれぞれ、30代、40代、50代、60代で親によく似てきた姿に数十年ぶりに会いました。
孫世代は、初対面が多くです。

次の機会は、子供世代が引き継ぐという、世代の交代を感じつつ、1泊2日の集いでした。
子供世代が多くの親戚を実感し良い機会だったようです。

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